日本組織内弁護士協会(JILA)は、組織内弁護士およびその経験者によって創立された任意団体です。

オンラインジャーナル

ONLINE JOURNAL

New2024.12.24| オンラインジャーナル

「買収提案と特別委員会設置(入門編)」西村あさひ・小林咲花 パートナー弁護士(研究会レポート)

よろしければ情報をシェアしてください!

本レポートは、研究会の録画及びスライドをオンライン用にまとめたものです。インハウス弁護士・法務部門の皆様の業務・ご研究のお役に立てば幸いです。

1. 概要:

2024年12月23日(月) 、日本組織内弁護士協会(JILA)の「リーガルリスクマネジメントガイドライン研究会」及び「GC/CLO研究会」の共催によるイベントとして、オンライン研修会「“将来”法務部長になりたいインハウスが“今”押さえたい―買収提案と特別委員会設置(入門編)」(講師:弁護士 小林咲花 先生・モデレータ:弁護士 渡部友一郎 座長)が開催されました。

2. 録画及び配布資料:

2−1 録画:
2−2 配布資料:


3. 小林咲花先生のご資料の一部(2−2をご覧ください):

4. おわりに:

本講演は、インハウス弁護士としてのキャリアアップを目指す方々に向けて、「買収提案と特別委員会設置」に関する基礎知識を提供する内容です。講師の小林咲花弁護士は、M&Aや企業買収の専門家としての豊富な経験を基に、特別委員会の設置と運営に関する基本的な考え方や実務上の重要ポイントを解説しました。

特別委員会は、主にMBO(マネジメント・バイアウト)や支配株主による買収など、利益相反が生じ得る場面で設置される傾向にある重要な会議体です。特に、取締役会の独立性を補完し、株主利益を守る役割を果たします。本講演では、「公正M&A指針」に基づく特別委員会設置の意義や設置時期、委員の選定基準、独立性の確保、外部アドバイザーの活用など、具体的な運営方法が詳しく、豊富な具体例を用いて説明されました。

さらに、買収提案を受けた場合の初動対応として、適切に時間を確保しながら買収者との情報格差を埋める戦略や、ホワイトナイトの発見などの対抗策についても触れられました。これらの知識は、実務で直面する可能性のあるシナリオへの備えとして非常に有用です。

本研修は、法務部長やCLOを目指す若手法務担当者にとって、今後のキャリア形成や専門知識の基盤を築くための貴重な機会となりました。

BEFORE
役員:
「◯◯さん。買収提案検討のため、特別委員会の設置について至急検討してください。」
あなた:
「え⋯は、はい(新聞で聞いたことがあるけど何も知らない⋯まずい、これから調べなきゃ!)」
AFTER
役員:
「◯◯さん。買収提案検討のため、特別委員会の設置について至急検討してください。」
あなた:
「もちろんです。必要があればこの場で5分お時間をいただければ、特別委員会の基礎については既に把握しておりますので、特別委員会とは何か、目的、委員の人数の概要・任命などの初動、弊社の顧問弁護士への連絡可否などをご説明申し上げますがいかがでしょうか。」
役員:
「おお、さすが◯◯さん、頼りになるよ。このまま社長室に来て、簡単なブリーフを頼む、その後、事務局の組成や法律事務所への指示出しを含めてリードを頼む。」
あなた:
「もちろんです。お任せ下さい(小林咲花先生の講義を聞いておいたよかった!!!涙)。」

リーガルリスクマネジメントガイドライン研究会では、臨床法務技術としてのリーガルリスクマネジメント(リーガルリスクの特定→分析→評価→対応)が、「法律家が六法を必ずひく」ことと同様に、法務の現場においてあたりまえの枠組みになることを目指しています。研究会は、法務に携わる方にご活用いただくべく、公開・録画を行い実施してまいります。ご不明な点がございましたら、どうぞ研究会座長の渡部までお知らせください。

5. 関連リンク(過去の研究会レポート):

よろしければ情報をシェアしてください!