GREETING
坂本 英之
2022年4月1日に日本組織内弁護士協会(JILA)の理事長に就任した坂本英之と申します。JILAは2001年に設立され、2022年4月現在の会員数は約2000人となりました。
近年、企業における法務部門の機能強化への関心が高まり、法務部門には企業を法的リスクから守るガーディアン機能に加えて、ビジネスの推進をサポートするパートナー機能の強化が求められています。また、リーガルテクノロジーの活用などを通じて法務部門がより効率的に法務サービスを提供し、本質的業務への注力を実現するためのリーガルオペレーションズに関する研究も進んでいます。
このような法務部門に求められる役割や社会環境の変化に応じて、法務担当者に求められる役割、スキルも変化しています。2011年には587人だった企業内弁護士が2021年には2820人まで10年間で5倍近くまで増えましたが、これは、企業における法務部門の強化の期待の表れであると考えられます。また、会社の経営陣の一員として法務部門を統括するチーフ・リーガル・オフィサーを設置し、組織内弁護士がこれに就任するケースも出ています。
これに加えて、中央省庁、地方自治体において、組織内弁護士が政策立案、紛争対応などに積極的に関与するケースも増えており、中央省庁等における任期付公務員は2011年の86人から2021年の123人へと増え、地方公共団体等における任期付公務員は2011年の8人から2021年の118人へと大幅に増えました。
大規模法務部門の新卒入社者、スタートアップ企業の1人法務担当者、地方公共団体の任期付公務員など、一人一人の組織内弁護士が置かれた環境は様々ですが、法令改正対応、日々の業務での工夫、キャリアプランなど、共通の関心事項は多くあります。JILAでは、全体研修に加えて専門分野ごとの研究会、業種ごとの部会、地方の支部などで関心分野にフォーカスした研修を開催し、キャリア形成及びネットワーク作りを支援しています。
また、組織内弁護士の現状について調査研究を行うと共に、組織内弁護士の普及促進のための政策提言や外部団体との意見交換も行っています。
JILAは、JILAの目的に賛同された賛助団体からの賛助金によって会員に対してより充実した支援を行うことができています。2022年3月時点で、59の団体に賛助団体となっていただいています。
JILAは組織内弁護士の皆さんのさらなる活躍を支援することができるように積極的に活動を行っていきます。
2022年4月1日
日本組織内弁護士協会 理事長
坂本英之