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2021.01.12| オンラインジャーナル

フリーランスの拡大とその課題

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筆者

阿部 次郎 (あべ じろう)

西村あさひ法律事務所パートナー弁護士。労働法、独占禁止法を専門とし、所属事務所において労働法プラクティスグループの共同代表を務め、労働紛争、労働組合対応を含む、企業の労働案件一般を広く担当している。また、独占禁止法分野では、国内外の多数の企業結合審査対応のほか、談合事件、国際カルテル事件等を手がける。

主な著書として、『M&A法大全(上)(下)[全訂版]』(共著、商事法務、2019年)、『働き方改革とこれからの時代の労働法』(共編著、商事法務、2018年)など。

 

 

− 目次 −

1. はじめに
2. フリーランス人口の増加とその背景
3. フリーランスの法的保護の必要性とその方法
4. 法的保護に関する議論の状況と今後の課題
5. 今後の展望と課題

 

1. はじめに

個人の働き方の多様化や柔軟な働き方の拡大に伴い、企業組織に属さずに、個人として業務を受注して働く、いわゆる「フリーランス」が近年増加しています。

 

このような、労働基準法上の労働者とは異なる個人としての働き方は、政府の進める働き方改革の中では「雇用類似の働き方」とも呼ばれており、その中でも、個人で仕事を受注し、発注者との間の請負契約や業務委託契約に基づいて働く、いわゆるフリーランスの在り方についての注目が高まっています。

 

フリーランスを含む多様な働き方は、個人のライフスタイル等にあった柔軟な働き方を広げ、もって様々な背景を持った人材の労働市場への参加を促すことで、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少といった、我が国が直面する問題に対応していくという、働き方改革の目的に沿うものである一方、労働基準法の保護を受けない働き手をどう保護すべきかという点も問題となっており、様々な議論がなされています。

 

 

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