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2020.11.25| オンラインジャーナル

霞ヶ関弁護士というキャリア

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筆者

津田 麻紀子(つだ まきこ)

63期、元経済産業省勤務。営業秘密の保護強化及び限定提供データの創設に係る不正競争防止法の改正作業を二度経験し、関連するガイドライン等の策定にも深く関与した。

現在は、不正競争防止法のみならず個人情報保護法を含むデータプロテクションに関する法令を幅広く取り扱うとともに、官庁に5年近く在籍した経験を生かし、政策動向の調査やロビイングの支援、ベンチャー企業支援(株式会社シナモンにおいて監査等委員も務めている)等に従事している。

『2020年個人情報保護法改正と実務対応』、『デジタルトランスフォーメーション法制実務ハンドブックー社会的価値を実現するDXガバナンス』等著書多数。

 

− 目次 −

1. 何者かになりたいあなたへ
2. 何足わらじを履きますか
3. 生かすも殺すも巡り合わせ
4. 私は官僚になれない
5. 悩んだら官庁に行きませんか

 

1. 何者かになりたいあなたへ

今でこそ官庁への出向というのは弁護士のキャリアとして一般的な選択肢になっていると感じますが、私が路頭に迷っていた2013年当時にはそれはそこまでメジャーな選択肢ではなかったように思います。

当時の私は、一般的な法律事務所に所属しながらも、なかなかコレといった分野・実力を身につけられず、焦りまくっていた時期でした。

 

「ここではないどこかへ」(年がバレますね)をスローガンにことある毎に悩みの丈を友人に話していたことが功を奏し、希望どころか全く認識していなかった経済産業省のポストに就くことになり、お陰様で今の仕事に繋がっていると感じています。官庁での勤務経験を通じて、何もなかった私が自分の専門性という軸に胸を張れるようになりました。

 

実は私は官庁をキャリアの通過点としてではなく、終着地として選ぼうとしていた時期がありました。これは多くの任期付き経験者の中でも少数派であろうと思います。

しかしながら、大変な不義理の末、私は法律事務所の世界に戻ることを決意しました。今回は私のこの経験も踏まえたお話しをさせていただければと思っています。

 

官庁のキャリアに関して自由に述べ始めると壮大な人生観を展開することになりお目汚しとなりますので、今回はその中でも特に焦点を絞らさせていただいて、官庁における弁護士の立ち位置やこれいかにというところから、そのキャリアの広がりについて私見を述べさせていただきたいと思います。

 

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