日本組織内弁護士協会(JILA)は、組織内弁護士およびその経験者によって創立された任意団体です。

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2020.06.29| オンラインジャーナル

自動運転・MaaSの第一人者がJILA会員へ書き下ろし!「自動車という法律のフロンティア」

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5. 法律家が果たすべき役割

私が大学で学んだ中で今でも覚えている数少ない言葉に、民法・平井教授の「反論可能性」という言葉があります。反論可能性がある議論を提示することが合理的な問題解決のために必要であるという、法学の在り方を問うていらしたのだと記憶しています。そして、交通サービスの世界に今必要とされているのは、この「反論可能性」の考え方ではないかと思います。

 

単に既存の事業形態と合致するのかではなく、輸送の安全を確保し、利用者に円滑・確実なサービスを提供するという法の趣旨から、規制を再構築していく必要があるのではないかと強く感じています。

 

私も日々、様々な方から相談を受け、数ある通達と格闘しながら、この世界に解釈という枠組をいかに取り入れていくことができるか考えています。我々法律家が大きな役割を果たせるフロンティアが、まだここにも拡がっているのです。

 

交通ルール、責任関係、安全確保・実証実験のルールなど自動運転に関連した法制度を体系的に整理し、新しいモビリティサービス、コネクテッドカーとデータについても幅広く解説した書籍『自動運転・MaaSビジネスの法務』、好評発売中です。

 

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