大阪弁護士会と日本組織内弁護士協会（JILA）とは、2022年3月7日に連携協定を締結しました。

大阪弁護士会とJILAとは、かねて、組織内弁護士や企業法務等に関する講演・セミナーの共催、組織内弁護士に関する意見交換会の開催等といった様々な取組みを協力して実施し、「法の支配」の浸透という観点から組織内弁護士の普及促進のために連携・協力してきました。
こうした取組みの積み重ねにより構築された両会の連携・協力関係を確認し、さらに強化するため、この度、連携協定を締結するに至りました。

1. ごあいさつ（大阪弁護士会）

組織内弁護士及びその経験者によって構成される唯一の大規模団体であるJILAとの間で当会が連携協定を締結することは、大変意義深いことです。

近年、弁護士の職務領域の多様化が進み、2001年には全国でわずか66名であった企業内弁護士は、2021年には2820名に増加し、当会所属の企業内弁護士も、この間に、2名から185名にまで増加しています。また、2005年には全国で60名であった任期付公務員の弁護士についても、2021年には252名まで増加しており、当会所属の弁護士も少なくとも20名以上が任期付公務員として活躍しています。

これまでも当会は、JILAとの共催で、次のような活動を行ってきました。

• 企業法務を取り扱う事務所弁護士と企業内弁護士が共に関心を持ちそうなテーマ、例えば「企業法務の役割」「ガバナンス」「労務問題」等に関するセミナーを、年に１、２回程度開催してきました。
• 法科大学院生や司法修習生を対象に、企業内弁護士に関する理解を深め、将来の選択肢として検討してもらうことを目的として、現役の企業内弁護士が登壇してその実情を率直に語るセミナーを開催してきました。
• 当会会長、副会長と当会所属のJILA会員とが出席し、組織内弁護士に関する意見交換会を開催しました。
• 組織内弁護士の普及促進を円滑に進めるために、弁護士会の制度の改善に向けて協議を行ってきました。

今般の連携協定締結を契機に、JILAとの協力関係をより継続的かつ強固なものとし、当会およびJILAの活動に関する定期的な協議の機会を設けて緊密な意思疎通を図るなどできれば、と考えております。

本日は、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。

2022年3月7日
大阪弁護士会
会長　田中　宏

2. 御礼の言葉（日本組織内弁護士協会）

本日は、大阪弁護士会と日本組織内弁護士協会において協定が締結に至りましたこと、たいへん嬉しく存じます。私自身が、弁護士登録をした1997年、大阪弁護士会で弁護士の第一歩を踏み出したこともあり、本日の協定締結には非常に感激しております。

これまでも、大阪弁護士会とJILAは、数々の共催イベントなどの連携活動をさせて頂きました。
インハウスによる公益活動の認定に関しましても、業務改革などの関連委員会の先生方に時間を割いていただき、ともに検討して参りました。ありがとうございます。

インハウスロイヤーの数は、すでに東京三会では1割を超える人数に達しておりますし、いずれ大阪でもそのような比率に達するだろうと思われます。しかし、現在は、まだまだインハウスロイヤーは弁護士会においても、所属先組織においてもマイノリティであり、その働き方やキャリアパスなど、他の多くの弁護士の方々からは理解しにくい点も多いと思いますので、JILAとして、もっとインハウスの実態やJILAの活動自体も周知していかなければならないと感じているところでございます。

社会の隅々まで法の支配を及ぼすためには、より多くのインハウスロイヤーが社会のあらゆる組織で活躍しやすいように皆で支援していくことが重要でありますので、インハウスロイヤーに対する弁護士会の支援や、弁護士会での活動がやりやすくなるような環境整備など、引き続き意見交換などをお願いしたく存じます。

同じ弁護士どうしであるという共通言語がある点で相互理解は容易であるものの、しかし、企業の場合は、「サービス提供者」と「サービスを受領者」という関係に立ち、また、公務員弁護士の場合は、みなさまは「市民としてサービスを受領する立場」、こちらは「行政として奉仕する立場」と、たいへん面白い関係にあると思います。

従いまして、相互に学び合える、貢献し合える存在であると思います。本日の協定締結を契機に、さらなる「相互理解」および「強固な連携」をすすめ、「相互に発展」することが実現できましたら幸いです。

最後に、協定締結にご尽力いただいた大阪弁護士会の田中会長、久保井副会長やその他の皆様、日本組織内弁護士協会の中室関西支部長、南前支部長ほかのみなさまに、厚く御礼申し上げます。

2022年3月7日
日本組織内弁護士協会
理事長　榊原　美紀