2021.06.09| オンラインジャーナル
EdTechを活用したオンライン教育(研修・セミナー)の法務
筆者
松本 拓(まつもと たく)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー弁護士。東京大学法学部講師。東京大学教育学部卒業。コロンビア大学・ロースクール(LLM)修了。主要な業務分野として,M&A・一般企業法務のほか,スタートアップ法務及び教育関連の業務に力を入れている。主な著書に「経産省、大企業×スタートアップのM&Aに関する調査報告書」(共著・商事法務ポータル・2021)、「M&A・投資における外為法の実務」(共著・中央経済社・2020)、「オンライン授業・セミナーに関する法的論点・留意点」(共著・AMT Newsletter・2020)など多数。
山田 智希(やまだ ともき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト弁護士。東京大学法学部卒業後、文部科学省にて勤務。主要な業務分野として,買収ファイナンス・M&A・一般企業法務・教育関連案件・行政訴訟ほか。主な著書として「オンライン授業・セミナーに関する法的論点・留意点」(共著・AMT Newsletter・2020)など。
− 目次 −
1. コロナ時代の「学び」のあり方
2. 著作権
3. 肖像権・プライバシー
4. 不正アクセス・情報流出
5. EdTechという大きな潮流
1. コロナ時代の「学び」のあり方
「ウィズ・コロナ」といわれる今日、学校の授業や企業での研修など、「学び」のあり方が大きく変化しています。
教室や研修室に集まり、講義を受け議論をするというこれまでの授業や研修のスタイルは、いまや「3密」を招くものとして可能な限り避けるべきとされることもあります。そこで、各々が様々な場所からパソコンやスマートフォンを使って授業や研修に参加する「オンライン教育」が、新たな学びのあり方として浸透しつつあります。実際、2020年4月以降に筆者らが講師を担当した大学授業やセミナーは、そのほとんどがオンライン開催でした。特に企業においては、社内向けの研修から外部向けのセミナーに至るまで、様々な方法・目的でオンライン教育が活用されています。
オンライン教育はフィジカルな会場の設定や移動が不要で使い勝手が良いものの、著作権、肖像権・プライバシー、不正アクセス・情報流出などの法的なリスクがあります。そこで、オンライン教育に取り組む企業は、どのようなリスクに注意し、どのように対処すればよいでしょうか。
オンライン教育で著作権がどう問題になるか?>