日本組織内弁護士協会(JILA)は、組織内弁護士およびその経験者によって創立された任意団体です。

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2020.11.25| オンラインジャーナル

霞ヶ関弁護士というキャリア

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5. 悩んだら官庁に行きませんか

個人的には、官庁勤務のキャリアの最大のメリットは「百利あって一害なし」であるというところに尽きると思っています。

 

官庁に行くということは専門性をつけるということです(官庁の中には“ジェネラリスト”というキャリア像もあるところですが、そういうのはプロパーの役人の選択肢ですのでこれを読まれる皆様は度外視でよろしいかと存じます。任期付き職員等の予算が取れるのはカッチリした制度や法律がある部署に限られ、配属されればその内容に精通することになります。)。専門性をつけて専門家として悪いことがあるでしょうか。

 

一般論として「企業内弁護士に一旦なってしまうと法律事務所に行きにくい」といった不安が口にされることもありますが(私はそうは思っていませんがそれは措くとして)、官庁についてはそのようなことは毛頭ありません。人によっては二回、三回と官庁でのキャリアを順調に重ね、次の一手を探るという方もいらっしゃいます(おそらくですが官庁to官庁の転職は完全に外から来るより安心感を持って受け入れられると思います。)。

 

私は官庁と弁護士人員との交流は持ちつ持たれつの関係にあると感じており、官庁サイドとしては、法律が少しだけ一般人より読める組織的なしがらみのない人を期間限定で雇えるというメリットが、弁護士サイドとしては自分の箔を付けるための経歴と共に人脈等の自身のチャネルを得るというメリットが、それぞれあると考えています。近年、官庁も特にキャリア官僚の流出が激しいです。人員がとにかく足りないのです。

 

下品な言い方をすれば、お互いが都合良くお互いを期間限定で利用し合い、それぞれ高め合っていければWin-winで、その後の官民を超えたお付き合いになると更に理想です。官庁で組織の一員として働いた経験を通じて、各自のシナジーを生み出すことの美しい合理性を学びました。弁護士業界も人員が増えてきてようやく官の方向にも手を伸ばしていける土壌が整いつつあります。私はその青写真を目指し、日々修行をしているところです。一緒に頑張りましょう。

 

経済産業省在籍中の筆者がその業務内容について勢いよくコメントしている内容が下記に掲載されています。

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