日本組織内弁護士協会(JILA)は、組織内弁護士およびその経験者によって創立された任意団体です。

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2020.04.13| オンラインジャーナル

欧州在住戦略コンサルタントが分析した組織内弁護士データ:年収法則など

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筆者

米山怜子(よねやま れいこ)

リサーチアナリスト・コンサルタント

欧州在住の戦略コンサルタント、OrangeConsultancy代表。海外調査、統計分析を得意とする。オランダMBA卒、中小企業機構認定アドバイザー、ランサー・オブザイヤー2019受賞。

 

https://twitter.com/Reiko_Yoneyama

 

 

欧州在住の戦略コンサルタントが、JILAが持つ過去5年分のアンケートデータを精査。データから見えてきた組織内弁護士の新しい視点・傾向とは?経験年数・役職別の平均年収を含め様々な角度からその法則・傾向を読み解いてもらいました。

組織内弁護士の統計データからの分析

1)企業内弁護士数と、弁護士総数内の企業内弁護士の割合 どちらとも5年連続で増加傾向

企業内弁護士の総数は、年々順調に増加しており、2019年は2,418名。また、日弁連の弁護士名簿からの登録弁護士数総数の中の、企業内弁護士の比率も上がっている。全弁護士中、企業内弁護士の割合は、2015年が約4%だったものが、年々増加し、2019年には5.9%に到達している。

 

 

2)企業内弁護士が多い企業、2019年は上位に情報通信系企業がランクイン

企業内弁護士を多く抱える企業上位20社(2001年~2019年)では2017年以降、ヤフーが三菱商事を追い抜き首位の座に(企業弁護士人数当時28名、現在32名でトップ)。2017年からアマゾンジャパン、LINEがランキング内に入り、2018年この2社は順調に順位を上げ、2019年にはLINEが5位(21名)、アマゾンジャパンは12位(15名)となっている。また、2019年に前年圏外からのランクインを果たしたのは10位のKDDI(16名)、15位の住友電気工業(14名)、20位のNTTドコモ(12名)など情報通信系の企業が名を連ねた。

 

3)女性の弁護士が企業内弁護士になる確率は、男性のそれと比較してかなり高い。

2019年6月に弁護士登録されている弁護士総数41,095名のうち、 女性弁護士は7,739名(18.8%)と全体の2割に及ばない。一方、男女別の企業内弁護士数は2019年女性982名、男性1,436名と、過去10年で女性4割、男性6割の比率でほぼ一定している。女性で企業内弁護士になる割合は、男性のそれと比較して、かなり高いことが分かる。

 

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