日本組織内弁護士協会(JILA)は、組織内弁護士およびその経験者によって創立された任意団体です。

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New2025.08.12| オンラインジャーナル

これからの組織内弁護士は「設計者」になる 〜法務オートメーションが実現する、属人化からの脱却と戦略的価値の創造〜

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6. 法務基盤の「設計者」として未来を創造する

企業の成長フェーズや法務案件の取扱量によって、求められる管理のあり方は異なります。事業の初期段階で、月間の法務案件数が比較的少ないうちは、既存のツールでもある程度対応できるでしょう。
 

しかし、事業が拡大し、個人任せのアナログな管理では限界が見え始め、対応漏れのリスクや業務の非効率性が顕在化してきた時が、変革の重要なタイミングです。法務オートメーションは、単に目の前の課題を解決するだけでなく、法務部門の未来を創造するための戦略的な一手となります。
 

これまで見てきたように、この取り組みはインハウスローヤーを情報の転記や検索といった作業から解放し、法務部門の生産性と対応品質を飛躍的に向上させます。そして最も重要なことは、それによって創出された時間とエネルギーを、より高度で戦略的な、本来インハウスローヤーが担うべき業務へとシフトさせることを可能にする点です。
 

これからのインハウスローヤーは、法律の専門家であると同時に、自社の法務基盤を構築する「設計者」としての役割がますます期待されます。そのための土台作りこそが、法務オートメーションの本質と言えるでしょう。

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